●英名:Caraway
●和漢名:ひめういきょう(姫茴香)
●学名:Carum carvi L.
●科名:セリ科の二年生草本
●原産地:ヨーロッパ東部、アジア西部
●主産地:デンマーク、イギリス、ドイツ、ノルウェー、ロシア
キャラウェイはセリ科の草本で、草丈は30〜60センチまで達する。若葉はニンジンの葉に似ており、生食することもある。スパイスとしては果実を利用している。果実は種のように見えるため、キャラウェイシードと呼ばれている。
キャラウェイはヨーロッパでは広く使われており、歴史もかなり古い。紀元前千年ごろ、あるいはそれ以前から利用されていたと言われている。フェニキア商人の交易品としてヨーロッパ諸国に伝わった。
同じセリ科のクミンと外観が似ている。実際、クミンと混同されて使われることがあるので注意が必要である。しかしキャラウェイの香味はクミンよりもやわらかいため、誰からも好まれる。使いやすいスパイスの一つである。
キャラウェイの若葉は、パセリやニンジンによく似た香味をもつ。
キャラウェイシードは爽やかな香りで、穏やかな甘さと若干の苦さを感じる。この香りの主成分であるカルボンとリモネンは、精油中にカルボン50〜60%、リモネン20〜30%が含まれる。
■キャラウェイシードはそのまま食べることができる。古代ローマでは食後にシードやシードケーキを食べる習慣があったらしい。
■料理やお菓子に使用する際は、キャラウェイシードを細かくきざむと食べやすい。プツプツとした歯ざわりを楽しみたい人は、丸のまま使ってもよい。
■キャラウェイはドイツやオーストリアの料理によく使われている。ドイツのザウエルクラウト(塩漬けキャベツ)など、酸味のある料理やドレッシングと相性がよく、きざんだものや粉末にしたものをふりかけて使用する。また、きざんだシードを練り込んだキャラウェイチーズというものもある。
■肉類の矯臭効果がある。特にマトンの矯臭に効果を発揮する。この場合、キャラウェイとシナモンとブレンドして使用するとより効果的である。
■爽やかな芳香は、ベーキング料理にもよく合う。粉末にしたキャラウェイシードを焼き菓子などの風味づけに用いたりする。日本で明治・大正時代に流行した“カルルスせんべい”というお菓子についていた種子は、キャラウェイシードである。
■キャラウェイの若葉が手には入ったら、パセリと同じような使い方をするとよい。スープやサラダにきざんだ若葉を散らすと、香りを楽しむことができる。根は紡錘形で多肉質であり、野菜として食べられる。
■キャラウェイはリキュールにも使われている。ドイツやオランダのキュンメル酒、スカンジナビアのキャラウェイブランデーなどには欠かすことができない。
駆風剤としての効能をもつ。消化促進の効果もあり、母乳の出をよくするとも言われている。
爽やかな香りをもつため、精油は口中清涼剤やうがい薬としても用いられている。
また、ヨーロッパでは、キャラウェイは人や物をひきとめる力があるという言い伝えがある。大切な品にキャラウェイシードを入れておくと、盗まれることはないとか。
■耐寒性があるため、日本においても栽培可能である。種から育てるのだが、二年生植物のため、結実するのに2年かかる。若葉は1年目から収穫可能である。
■日当たりのよい腐植質に富む粘土質土壌を好み、4月中旬〜5月に種子をまくと、約2週間で発芽する。冬までにしっかりした苗に育つよう、本葉が出るころまで数回間引き、日照と通風に注意しなければならない。耐寒性はあるが、寒冷地では霜柱による根の露出を防ぐため、根本を軽く踏んでおく必要がある。
翌春新しい葉が出はじめた頃、最終的な間引きをし、株を40〜45センチ間隔にする。
■茶色に果実が変化しはじめたら収穫する。熟し過ぎてしまうと果実が破れ、中の種子が飛び散ってしまうため、注意する。収穫後は十分に乾燥させること。
キャラウェイは、カレー料理には欠かせないスパイスの一つである。
キャラウェイは、
フェンネル等の他のセリ科と同様に精油に富んでおり、消化促進・吐き気・過敏性腸症候群など、胃腸の働きを活発化させる効果がある。
キャラウェイを始め、カレー料理に使われるスパイスには、胃腸の調子を整えてくれるものが多く含まれる。カレーは季節を問わず食べたい料理だが、夏場の食欲が落ちている時に食べると、暑さでやられた胃腸がスッキリする。夏バテと感じたら、まずはカレーを食べてみてはいかがだろうか。
また、心の緊張や精神的な疲労を回復してくれる効果もあるため、「何か疲れたな…」という時にも、キャラウェイの入ったカレー料理を食べると、身も心も元気回復するに違いない